💡 まずはこれだけ

macOSの中身はUnix系(BSD由来)なので、ls cd grep find といったLinuxコマンドの多くがそのまま使えます(→ 📓 Linuxコマンドのページ参照)。このページは brewopen pbcopy のような macOS特有・便利なものを中心にまとめます。標準シェルは zsh です。

Homebrew — パッケージ管理の定番

macOSにソフトを入れるならまずこれ。LinuxでいうaptやdnfにあたるmacOSの事実上の標準です。

コマンド意味・用途
brew install 名前パッケージをインストール。例 brew install wget
brew uninstall 名前パッケージを削除
brew upgrade入れているものをまとめて更新。brew upgrade 名前で個別に
brew updateHomebrew自身とパッケージ情報を最新化(upgradeの前に)
brew search 語入れられるパッケージを検索
brew listインストール済みの一覧を表示
brew info 名前パッケージの詳細・依存関係・バージョンを確認
brew doctor環境の問題を診断。「なんか調子が悪い」ときの最初の一手
brew install --cask 名前GUIアプリ(Chrome等)をインストール。--caskがアプリ用
brew cleanup古いバージョンやキャッシュを削除して容量を回収

ファイルとアプリを開く

open はmacOSの万能コマンド。Finderやアプリと橋渡しできます。

コマンド意味・用途
open ファイル既定のアプリでファイルを開く(ダブルクリック相当)
open .今いるディレクトリをFinderで開く。地味に一番使う
open -a "アプリ名" ファイル指定アプリで開く。例 open -a "Visual Studio Code" .
open https://example.comURLを既定ブラウザで開く
open -R ファイルFinderでそのファイルを選択状態で表示(Reveal)
open -e ファイルテキストエディットで開く

クリップボード

ターミナルとGUIのコピペをつなぐ2つ。パイプと相性抜群です。

コマンド意味・用途
pbcopy標準入力の内容をクリップボードへコピー。例 ls | pbcopy
pbpasteクリップボードの内容を標準出力へ貼り付け。例 pbpaste > memo.txt
pbpaste | pbcopyクリップボードを一度通し直す(書式を落としてプレーン化する用途など)
$ pwd | pbcopy          # 今のパスをコピーしてSlackやメモにペーストしやすくする
$ cat config.json | pbcopy   # ファイルの中身をそのままクリップボードへ

検索(Spotlight)

Spotlightの索引をコマンドから使えます。findより高速なことも。

コマンド意味・用途
mdfind 語Spotlightの索引で全文・ファイル名を高速検索
mdfind -name ファイル名ファイル名で検索
mdfind -onlyin ディレクトリ 語指定フォルダ内に絞って検索
mdls ファイルそのファイルのメタデータ(作成日・種類・寸法など)を一覧表示

システム設定・情報

GUIの設定をコマンドで変える、システム情報を調べる。

コマンド意味・用途
defaults read ドメインアプリ・システムの設定値を読み取る
defaults write ドメイン キー 値設定を書き換えてカスタマイズ。変更後はアプリ再起動が必要なことも
sw_versmacOSのバージョン・ビルド番号を表示
softwareupdate -lOSアップデートの一覧確認。softwareupdate -i -aで全適用
system_profiler SPHardwareDataTypeハードウェア情報(モデル・CPU・メモリ)を表示。項目名で絞れる
uname -aカーネル情報。Darwin(macOSの土台)であることが分かる
⚠️ defaults write は自己責任で

defaults write はシステムの隠し設定まで変えられて便利ですが、キーや値を間違えるとアプリが起動しなくなることもあります。変更前に defaults read元の値を控えておくのが安全です。ネットで見つけた設定を貼る前に、何のドメイン・キーかを確認しましょう。

ディスク・ボリューム

ディスクの確認・操作は diskutil に集約されています。

コマンド意味・用途
diskutil listディスクとパーティションの一覧を表示
diskutil info /dev/disk0指定ディスクの詳細情報(容量・形式・状態)
diskutil mount /dev/disk2s1ボリュームをマウント。unmountでアンマウント
df -h空き容量を見やすい単位で(Linuxと共通)

便利ユーティリティ

macOSならではの小粋なコマンド群。知っていると作業が快適になります。

コマンド意味・用途
say "テキスト"文字を読み上げる。長い処理の完了通知に コマンド; say done など
caffeinateスリープを防止。caffeinate -t 3600で1時間、caffeinate コマンドで処理中だけ起こしておく
screencapture 名前.pngスクリーンショットを撮影。-iで範囲選択、-T 5で5秒後
pmset -g電源管理の設定を表示。pmset -g battでバッテリー状態
networksetup -listallnetworkservicesネットワークサービス(Wi-Fi・Ethernet等)の一覧
afplay 音声.mp3音声ファイルを再生。通知音代わりにも

ネットワーク

macOSはLinuxと違い ifconfig が現役。DNSキャッシュ操作なども独特です。

コマンド意味・用途
ifconfigネットワークインターフェースとIPアドレスを表示(macOSでは現役)
networksetup -listallhardwareportsハードウェアポート(Wi-Fi/Ethernet)とデバイス名の対応を確認
networksetup -getinfo "Wi-Fi"指定サービスのIP・サブネット・ルーターを表示
sudo dscacheutil -flushcacheDNSキャッシュをクリア(名前解決がおかしいとき)。合わせて次行も実行
sudo killall -HUP mDNSResponderDNS応答プロセスを再読み込み。上のキャッシュクリアとセットで使う
ping ホスト / curl URL疎通確認・通信(Linuxと共通)

macOSとLinuxの違い

同じ名前でも中身が違うことがあります。macOSはBSD系、Linuxの多くはGNU系のコマンドを積んでいるためです。実務でハマりやすい差を押さえましょう。

場面macOS(BSD系)Linux(GNU系)
sed -iの書式拡張子引数が必須 sed -i '' 's/a/b/' fそのまま sed -i 's/a/b/' f
lsの色付けls -Gls --color=auto
コマンドの由来BSD版(ls sed date 等)GNU coreutils版
並べ替えなどの細かなオプション一部が非対応・別名GNU拡張オプションが豊富
✅ GNU版で挙動をLinuxと揃える

スクリプトをmacOSとLinuxで共通に動かしたいときは、Homebrewで brew install coreutils gnu-sed grep を入れると、GNU版が使えます(gsed gls ggrep のように g 付きの名前になります)。PATHやエイリアスで g なしに寄せることもできます。ネットのLinux向けコマンド例をそのまま流したいなら、この一手が効きます。

💡 標準シェルとターミナルアプリ

近年のmacOSの標準シェルは zsh です(以前は bash)。設定ファイルは ~/.zshrc。標準の「ターミナル.app」で十分ですが、タブ分割や履歴検索が強力な iTerm2 も定番です。エイリアスや履歴活用のコツは 📓 便利技・時短術のページにまとめています。

🛡️ セキュリティ・運用の視点 — Gatekeeper・SIP と sudo の扱い

macOSには、身元不明のアプリの実行を止める Gatekeeper と、システム領域をrootでも触れないように守る SIP(System Integrity Protection) という保護機構があります。これらは「うっかり」や「悪意あるソフト」からMacを守る仕組みなので、ネット記事に従って安易に無効化(spctlcsrutil disable)しないでください。どうしても必要な場面以外は、有効なままにしておくのが安全です。sudo の扱いはLinuxと同じで、必要なときだけ管理者権限を借りるのが原則です(コンピュータ大全コース第7章)。とくにネットからダウンロードしたスクリプトを sudo で走らせる前には、中身を less で読んで「何をするか」を必ず確かめましょう。curl ... | sudo bash のように、取得したものを確認せず直接実行するのは避けるのが賢明です。